2006年 05月 22日
涼宮ハルヒの憂鬱 第8話 「孤島症候群(後編)」
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直接的なネタバレを被ったわけではないのですが、事前に得る事のできた情報から、ああいうオチになるであろう事は、大体読めていました。ですが、今回に限って言えば、情報は極力絶っていた方が、よりストーリーを楽しめたと思います。
終盤、キョンが豹変するあたりの展開は、予測の有無で、面白さの度合いがワンランク変わってくると思います。そのあたりの展開は、恐らく意図しての事なのでしょうが、割と陳腐に描写されており、それゆえ騙されるのも簡単ではないと思います。しかし、あそこで騙された方が、よりストーリーを楽しむ事ができたと思うのです。
今回、読みきれなかった事が、ただ一点だけあるとすれば、それはハルヒの萌え度が存外に高かった事でしょうか。
他者の事など、砂粒一つほども意に介さなかったあのハルヒが、キョンに対して恥じらいの意識を持つようになってきています。体育の授業で着替える際に、周りに男子がいようともお構いなしに着替え始めるあのハルヒが、です。ツンデレの“デレ”には程遠いながらも、これは成長と言う事ができるのではないでしょうか。
さて、いよいよその本性の片鱗を見せた、古泉君。今回の“お芝居”において、彼が犯した幾つかの失態さえも、恐らくは意図しての事だったのでしょう。
初登場のその瞬間から、食えなさそうな雰囲気を全面に漂わせていましたが、やはりと言いますか、わかりやすいくらいに食えない人でした。
長門さんは、寡黙であるが故に何を考えているのかわかりにくいですが、それとは別の意味で、古泉君は何を考えているのかわかりません。
彼の能力に関しましても、わずか1/10で人間の十倍はあろうかという巨大カマドウマを撃退できるほどのものである事はわかっていますが、その詳細に関しては、今なおまるで不鮮明なままです。
彼が明らかにしている情報の中で、信のおけるものがあるとするなら、それは彼と、その背景にある“組織”の目的に関してのものだと思います。これは物語の根幹に関わる問題ですから、ある程度の偽称はあったとしても、100%嘘という事はないでしょう。
前言を、嘘でしたとあっさり撤回してしまう彼の事ですから、その他の情報に関しては、すべてを疑ってかかるくらいの気持ちでいいのかもしれません。
さて、今回もいつも通りに寡黙だった長門さんですが、ここへきて、微妙な変化が表れはじめました。ハルヒの命令を頑なに守り、扉を閉ざす長門さんでしたが、その時のキョンの言葉に対し、僅かながら反応を示しておりました。
私の記憶が確かならば、劇中に彼女の笑顔が出てきた事は、未だにありません。最終話に至るまでの過程で、彼女の笑顔を見る事は、果たして叶うのでしょうか?
そして、今回もいつも通りにマスコット役を貫いていた朝比奈さんですが、私が先週行った考察は、原作をご存知の諸氏には言うまでもなく、完膚なきまでに的外れなものでした。特に調べたわけではないのですが、記事を書き上げた後に、他所のBlogさまを見てまわる折に、何とはなしに察しがついてしまいました。自分で言うのも何ですが、まぁこういう事もあります。
最後に。
物語の中盤、ハルヒとキョンが、指を絡めて手を繋ぐシーンがありました。そこでお互いの心情描写が無かった事は、少し残念でした。
ハルヒのそれは無理だったとしても、キョンの心情描写であれば、何とかなったのではと思うのです。このあたり、原作ではどうなっているのか、興味を惹かれます。
或いは、お互いに何も考えていなかったのかもしれません。あの二人なら、それも普通にありえそうです。
by kidar
| 2006-05-22 06:40
| 涼宮ハルヒの憂鬱