2006年 06月 13日
朝倉さんが「青鬼だったのかもしれない」という仮説について
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キョン君のこと好きなんでしょ。分かってるくせに/Syu's quiz blogさま
この逆再生ネタ自体は、深読みのし過ぎに思えます。しかし、「朝倉さんが青鬼だったのかもしれない」とするこの仮設には、非常に興味を惹かれます。
具体的に言いますと、「キョンに対し、長門さんが宇宙人であるという事実を認めさせるために、朝倉さんはあえて超常の戦いを演じて見せた」という事になります。
成立の前提として、「1, 長門さんが朝倉さんの思惑に気付いていない」、「2, もしくは気付きながらも行動を押し通す意思を持っている」、「3, または二人が共謀している」の、いずれかの条件が必要になります。ですが、それさえ実証されれば、十分に納得のできる仮説足り得ると思います。
この場合、もっとも有力なのは「1」になるでしょう。2と3は、作品のスタンス的にそぐわないように思われるからです。こうした背景があったとして、仮にそれがキョンへ知られた場合、どのような状況が訪れてしまうのかは、想像に難くありません。
それは、作品により深みを出すためのファクターとして、非常に有用であるようにも思われます。ですが、「涼宮ハルヒの憂鬱」という作品には、やはり似つかわしくない状況であると、私は考えます。
しかし、仮にこの説が正しいとしますと、第10話で私が抱いた、「身体能力的には一般人レベルのキョンが、油断しきっているところに振り下ろされた朝倉さんの一撃を、何故かわす事ができたのか」という疑問に対する、一つの答えともなりえます。つまりは、「朝倉さんが意図的に外していた」と考えられるわけです。
更に、自身の情報制御空間であるうえに、キョンという大きなハンデを長門さんに強いていたあの場面の朝倉さんが、圧倒的有利な状況下にありながら、長門さんを仕留めきれなかった事に対する疑問への回答ともなりえるのです。
彼女が本気で長門さんを倒そうとしたのなら、最後の一撃で胴体を貫いた事自体が不自然になります。胴体へのダメージにさほどの意味がない事は、戦闘後の長門さんの台詞から明白ですし、朝倉さん自身もその事は承知していたでしょう。何より、刺し貫いた直後に会話が行えた時点で、朝倉さんには長門さんが致命傷を受けていないという事が理解できていた筈なのです。
彼女が長門さんを本当に倒そうとしたのなら、胴体ではなく頭部を狙うべきでした。ヒューマノイド・インターフェイスが如何に頑丈でも、脳を収めている頭部を完全に破壊されれば、機能停止に至る他無いように思われるからです。
ただし、上記の仮説を前提に据えた推論にも、二つほど曖昧な点が含まれています。
一つは、長門さんが戦闘開始以前に仕組んだ崩壊因子によって、朝倉さんの円滑な情報制御を阻害していたという可能性です。
そしてもう一つは、ヒューマノイド・インターフェイスを死に至らしめるには、部位に関係なく、ダメージの累積が一定レベルを超えた場合によってしか成し得ないという可能性です。
或いはその両方を含めて考えますと、朝倉さんが「青鬼」ではなかったとしても、上記の疑問点に対する答えを見出す事はできます。
朝倉さんが「青鬼」だったのか、或いはそうでなかったのかの決定権は、一人一人の主観に委ねられているとも言えるでしょう。あなたは、どう思いましたか?
by kidar
| 2006-06-13 06:10
| 涼宮ハルヒの憂鬱