2006年 07月 10日
「BASTARD!!」 24巻
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前巻の発売から、2年を余裕で越していた事に驚愕いたしました。
著者の萩原一至氏には、「HUNTER*HUNTER」の冨樫義博氏と同じニオイを感じます。やればできるどころか、人並み以上なのは誰の目にも明らかなのですが、肝心の当人にやる気が無いのでは仕方がありません。
週刊ペースでだなんて贅沢は言いません。せめて月刊のペースでコンスタントに連載してもらえると、1ファンとしてはかなりありがたいのですが、今までを振り返ってみますと、残念ながら望み薄であると言わざるを得ません。
さて、内容の方ですが、相変わらずノリで描いているような雰囲気が漂ってはいますが、ストーリー的には大分まとまりつつあるように思います。
ダークシュナイダーとウリエルが死闘を繰り広げている裏では、世界中のあらゆる人族が総力を結集しつつありました。その名を「汎人類連合」と言い、その中心にあるのは「救世主」と呼ばれる謎の少年と、その証を立てる者たる「預言者」です。彼らの呼び掛けに呼応する形で、地球上の人に属するすべての生物が、誕生から400年の歳月を重ねて初めて力を合わせようとしていました。
そんな中、予想外の形で決着を迎える事になるダークシュナイダーとウリエルの一騎討ちはしかし、仕掛け人たるベルゼバブの思惑をなおもはらんだまま、思い掛けない方向へと転がっていく事になります。そのベルゼバブの思惑も未だ不明なまま、それは勝負の行方と共に、次巻以降へ持ち越しという事になります。
説明不足は相変わらずですが、それでも前巻までと比べますと、格段にわかりやすくなったように感じられます。
力のインフレーションも相変わらずなままですが、極めて脆弱で天使や悪魔に駆逐されるばかりのように描写されていた人類にも、彼らに匹敵できる要素がちゃんと用意されているようです。つまるところ、パワーバランスが正常な方向へ向かいつつあり、ストーリー的にも面白くなってまいりました。
話は突然変わりますが、前巻あたりで告知されていたっきり、完全に続報が途絶えていたBASTARD!!のオンラインゲームですが、ひっそりと開発が続けられていた模様です。2006年中にβテストを行う予定のようですが、実現するかどうかは微妙な予感がいたします。どうなります事やら。
by kidar
| 2006-07-10 15:30
| 漫画