2007年 06月 24日
思い返してみますと、“ヨーコにとってのシモン”は、初めて出会ったその時より、ずっと「弟のような存在」であり続けていました。
それは、女性の方がより早く精神面での成熟を迎えるからという理由もあるでしょうし、想いを寄せる相手の弟分だったから、ということもあるでしょう。決して下に見ていたわけではないと思いますが、それでもヨーコがシモンを対等と見なしていなかったのは事実です。
カミナの死を乗り越え、グレンラガンを意のままに操り、大グレン団のリーダーとなっても、シモンはヨーコにとって、危なっかしい弟分のままでした。自分が世話を焼いてやらなければいけない相手だったわけです。
それは、ある意味で正しいと言えるでしょう。自分の身体のことを軽んじてしまうのは、カミナも持っていた悪い癖です。シモンは今や、大グレン団の柱となっているのですから、それが食事をおろそかにして肝心な時に力を発揮できないようでは困ってしまいます。まるで母親のように世話を焼いてしまうのも、ヨーコの性格を考えれば無理からぬことと申せましょう。
ですが、「男子三日会わざれば刮目して見よ」という言葉もあるのです。
実際、シモンはヨーコが思っていたよりずっと強く、男らしく成長していました。かつては自分が守ろうとしていたひ弱な少年が、こともあろうにその自分を「守る」と宣言し、それを果たして見せたのです。ヨーコの内心での驚きは、相当なものだったでしょう。
戦いが終わり、ダイグレンに帰還したところで、ヨーコはシモンにある事実を伝えます。それは、ヨーコにとっての重大な秘密でした。自分が守ろうと思っているような相手へは、決して見せてはいけない弱い部分でした。
しかし、ヨーコは伝えるのです。かつては「守るべき相手」であった、シモンへと。
それは、ヨーコにとってのシモンが、庇護の対象ではなく、同じ目線、同じ戦場で、背中を預けて戦う仲間となったことの証でした。劇中で、幾度も共に死線をくぐり抜けてきた2人が、真の意味で仲間となった瞬間です。
この友情がそこにとどまらず、恋愛感情へと発展する可能性もあるにはあります。ですが、シモンにはニアがいますし、ヨーコはカミナを一途に想い続けているようですので、あまり大きくはないのではないでしょうか。
ただ、次回あたりにニアが大グレン団を去ってしまうようですので、そうなりますと少々わからなくなってきます。いずれにせよ、2人にとってのお互いが、頼もしい仲間であり続けるということだけは間違いないでしょう。
・オマケ
MAD グレンラガンオーバー!
#
by Kidar
| 2007-06-24 10:00
| アニメ