2005年 03月 24日
「アニメ化」という事
|
『Fate/stay night』のANIME化の可能性は/Ask John ふぁんくらぶさま
少し前までの私なら、そんな事はしなくていいよとただ一蹴するのみだったと思います。ですが、今はこうしたアニメ化を、短絡的には否定できない理由があったりするのです。
私が、自分の好きなゲームや漫画などのアニメ化を素直に喜べないのは、そうしてアニメ化された作品達が、期待を裏切る出来のままに終わっていく事が多かったからです。こうした感覚を持つ方は、実は意外と多いのではないかと思います。
このアニメ化そのものへの懸念は、今もまだ持ち続けています。恐らく、これはアニメが「アニメという商売」であり続ける限り、この先も消える事はないでしょう。
しかし、非常に稀な事ではありますが、時として原作をさえ完全に凌駕するほどのアニメ化というものが成される事があります。最近では、TVアニメ版AIRがその好例と言えるでしょう。
この「TVアニメ版AIR」は、原作に比して物語の展開が早過ぎるという明確な欠点を持っています。しかし逆に、本当に魅せるべき場面においては、それこそ全身全霊を懸けて魅せてくれるのです。
そしてその魅せ方が、本当に、溜め息が出るほど巧みなのです。
その技たるや、もはや芸術の域に達しており、例えば前回放送された第11話などは、ただただ「凄い」としか言い様のない出来でした。中でも、浜辺を舞台にした「あの場面」の描写においては、原作を完全に凌駕しているとさえ感じさせられました。
そしてこのクオリティの前には、展開が多少早いという程度の事など、実に些末な問題だと思わされます。
限られた人材と予算、そして時間との戦いの最中にあって、ここだけは削れないという部分、ここだけは描かねばならないという部分を、制作者の方々がよくわかっていたからこそ成しえた偉業と言えるでしょう。
まだ、今夜にも放送される最終話を残してはいますが、少なくとも現時点では、間違いなく「名作」と断言できる作品です。
仮にFateがアニメ化されたとして、それがこの「AIR」のように“本物”と成りえるかどうかはわかりません。ですがこうした好例が存在する以上、期待を持つくらいはいいのではないかと、最近思えるようになりました。
今のところ、そのような情報は陰も形もありませんが、いずれ実現される可能性は、やはり少なくないと思います。
今から祈ったところで何の意味もない事はよくわかっていますが、願わくばそうなった際には、より良いものであって欲しいですね。
by kidar
| 2005-03-24 16:00
| アニメ