2005年 12月 28日
気狂いどもの狂宴
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ガン×ソードが終わってしまいました。
振り返ってみれば、長かったようであっという間でしたね。
最終話の戦いは、世界の行く末を決める大一番だった筈なのですが、傍から見ているとお互いの個人的なエゴを押し付けあっているようにしか見えませんでした。
よく言われていた例え話ではありますが、過激な新興宗教の教祖と、そこに入信しちゃった恋人を引っ張り戻そうとする者の戦い。そんな感じです。
カギ爪の敗因は、本当の意味で計画に集中し切れなかった事だと思われます。
形振り構わなければ、ヴァンがオーバーフロウを成す前に、葬る事もできた筈なのです。完全起動したバースディのポテンシャルは、オリジナルを凌駕するほど強大でしたし、ヴァンはそれまで、改造の範囲でしかダンのポテンシャルを引き出せていませんでしたから。
誤算と言えば、誤算だったのでしょう。ヴァンにネオオリジナルの適正があった事は、ガドヴェドさえも知らなかった事です。もしかすると、エレナは知っていたのかもしれませんが、そうだとしてもあの場面においては無意味でした。
そして、襲った相手が偶々底無しの馬鹿だった事が、カギ爪にとって最大の不幸でした。
普通ならばリミッターに阻まれて止まる局面で、ヴァンは尚アクセルを踏み込みます。己の身体など知った事かと突っ走った結果、バースディを超える域にまで達する事ができたのです。
正にジョーカー。第一話での暗喩そのままに、エンドレスイリュージョンにおいて、ヴァンこそがカギ爪に拮抗しうる切り札だったというわけです。
さて、ミハイルとファサリナですが…
少なくとも、あの場では死ななかったと思われます。
根拠は、岩の落ちてくる位置。よく見ると、二人がいた位置よりやや手前です。
奥行きのある岩だったらアウトですが、こんな思わせ振りな描写をしている以上、それはないでしょう。DVDにエピソードが追加されるそうですので、それが後日談であるなら、彼らの事もそこで語られるのだと思います。
私にとって、構えて観るようなアニメではありませんでしたが、逆に言えば、気楽に楽しめる良い作品でした。
あとはDVDの発売を待ちつつ、谷口監督の次回作に期待を寄せたいと思います。
by kidar
| 2005-12-28 07:00
| アニメ