2007年 01月 22日
とらドラ4!
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著者は竹宮ゆゆこさん、イラストはヤスさんです。
待望のシリーズ第4巻となります。
本巻の表紙を飾っているのは、御覧の通り櫛枝実乃梨嬢です。
主人公、高須竜児の現時点での想い人であり、他に類を見ないほど奇想天外な性格を持つ彼女は、表紙の勇姿の通りに、本巻において割と大きな活躍をしています。
代わりに、ヒロインである手乗りタイガーこと逢坂大河嬢の出番は、若干少なめとなったように感じられます。
川嶋亜美嬢の出番も少し増えたように感じられますので、この第4巻は、女性キャラの出番が平均化された巻、と言えるかもしれません。
それは言い換えますと、女性キャラの3人が3人とも、竜児に対して「フラグが立った」状態に近付いたという事です。
つまり、今後続くであろう第5巻以降において、竜児が誰と結ばれるのかという点においては、どのように転ぼうともまったく不思議ではなくなったという事でもあるわけです。
本作のジャンルがラブコメである以上、読者の多くが是と言える締めくくり、すなわち大河と結ばれるというエンディングになるとは思います。
ですが、竹宮ゆゆこさんは、「わたしたちの田村くん」の終盤において、割と現実的な三角関係を書いて見せたという前例があります。それを考えますと、明るく楽しいだけの展開と結末ではなく、捻りの効いたそれを期待してもいいのではないかと思うのです。
どのようなラストを迎えるにせよ、この著者氏であれば、きっと怒涛の盛り上がりと雪崩れ込むかのような結末を見せてくれる事でしょう。
さて内容の方ですが、あくまでもライトノベルらしい軽妙な筆致は、しかしとても読みやすく、わかりやすいです。
マニア向けのネタも少なからず盛り込まれており、よりディープなオタクであるほど楽しめる一冊になっています。
以前にも書いた覚えがありますが、ことラブコメというジャンルに限っては、竹宮ゆゆこさんは業界でも五指に入る職人だと私は思います。それくらいに面白いです。
今後の展開の読めなさと、内容の面白さという2つの点に大きな期待を抱きつつ、続巻を心待ちにしたいと思います。
by Kidar
| 2007-01-22 13:00
| ライトノベル